真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
家に帰って。
課題や、予習を終わらせた頃。
息吹ちゃんからメッセージが届いた。
《おかしい点に気づいた》
《何?》
《橋谷先生との関係を、美術部の人達みんな知ってるんだよね?》
《そう言ってたよ。だからそのことで脅すなんて馬鹿だって、門倉さん笑ってた》
確かに周知の事実を突きつけて脅すなんて。
脅されるほうにしても、特に心は動揺しない気がする。
私は続けて、
《橋谷先生との関係を、絶対に知られてはいけない相手がいたのかな?》
と、送信した。
《彩葉ちゃんもそう思う?》
と、息吹ちゃんからのメッセージ。
橋谷先生との関係を知られてはいけない相手って、誰?
自分で送っておいて、何もわからないままだった。
翌日。
県立第二高等学校。
息吹ちゃんとお昼休みに文芸部の部室に行き、ふたりでお弁当を一緒に食べることにした。
「今日ね、鶏の唐揚げ入りなんだ」
と、嬉しそうな息吹ちゃん。