真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「息吹ちゃん?」
息吹ちゃんの顔の目の前で、片手をヒラヒラ動かす。
「彩葉ちゃんって、天才だよね」
と、息吹ちゃんが呟く。
「えっ?巻き終わり探すなんて、誰でも思いつくよ」
褒められて照れていると、息吹ちゃんは首を振った。
「『順番』だよ」
「えっ?」
「なんで今まで気づかなかったんだろう。そういうことじゃん」
「息吹ちゃん?」
私には何のことなのか、全然わからない。
息吹ちゃんは私の困惑した顔を見て、
「殺された順番だよ」
と、説明した。
「殺された、順番……?」
息吹ちゃんは続ける。
「竹中先輩の事件は三つ目に見つかった。だから三番目に殺されたと思ってた」
「うん、三人目の被害者だよね?」
「でもそれが違うんだよ」
「え?」
「竹中先輩は、橋谷先生より前に殺されていると思う」
「えっ?なんでそう思うの!?」