真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
第二話 依頼
駅のホーム。
周りの迷惑にならないように、私達はホームのすみにあるベンチの方に移動した。
「私、柴田さんと同じクラスの吉井 絵麻です。えっと……」
吉井さんが私を見る。
「あ、私は三組の藤沢 彩葉っていいます。息吹ちゃんと同じ文芸部です」
と、自己紹介をする。
「文芸部!良かった」
吉井さんはなぜかホッとしている。
「吉井さん、あの、お願いって?」
息吹ちゃんが尋ねると、吉井さんは私達を交互に見つめてこう言った。
「お願い、時田さんがどうして亡くなったのか、文芸部の柴田さんに……、ううん、ふたりに探ってほしいの」
「えっ?」
「加瀬ちゃんが殺したなんて噂、絶対に嘘だと思う。あの子はそんなことしないし、出来ないと思うんだ」
「ちょっと、ちょっと待ってください」
「お願い、加瀬ちゃんの疑いを晴らせてほしい。それでみんなに知らせてほしいんだ。本当のことを」