真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「まぁ……、ね?でも私達、市川 櫻子と知り合いってほどでもないけどね」



立川さんが矢戸田さんの赤面を見て、ケラケラ笑っている。



「ん?どうしたの、文芸部コンビは」



矢戸田さんが頬を手で煽ぎつつ、私達に視線を移した。



「……すごい情報だ……」



呟く息吹ちゃんに、私は頷く。



「……えっ?」
と、矢戸田さんと立川さんは、私達をまじまじと見つめた。













そして。

数日後。



県立第二高校。

朝も早い時間。

私と息吹ちゃんは、二年三組の教室にいた。



「来るかな、市川さん」



息吹ちゃんと向かい合わせに座って。

私は腕時計を見た。



六時過ぎ。



どこかから、どこかの部活の朝練の掛け声が聞こえてくる。



「……もし来なかったら、もう、私達が警察に話そうよ」

「うん」



知っていることは、このメモ帳に書いてある。

……そう、事件帳に。

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