真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
第四話 罪
「何?こんな朝早く呼び出して」
市川さんは不満そうな表情で、私達を睨む。
「市川さんですよね?」
「は?」
「……橋谷先生と竹中先輩を殺害した犯人」
息吹ちゃんの言葉が、教室に響いた気がした。
「……は?何?何なの。そんな話なら私、聞きたくないんだけど」
市川さんは教室から出ようとする。
「待って。聞いてください」
息吹ちゃんを市川さんはキッと睨む。
「あのさぁ、あんた達が探偵ごっこするのはいいけど、巻き込まないでくれる?だいたい、私がなんであのふたりを殺さなくちゃならないの!」
「……竹中先輩も、橋谷先生も、邪魔になったからじゃないですか?」
「は?」
市川さんは今度こそ鬼のような形相で怒りをあらわにした。
「竹中先輩にあなたは脅されていた」
息吹ちゃんは市川さんをまっすぐ見つめて、話し始めた。