真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「カンカンに怒られたね」

「先生にも、親にもね」



私達はため息を吐いた。



「お母さん、泣いてた」
と、息吹ちゃん。



「私のところも。泣きながら怒られた。『あんたにもしものことがあったら、私はどうしたらいいの!!』って」

「同じだぁ……」

「我々の罪は、思いの外、重かったね」

「そうだね、息吹ちゃん」



私達は停学中に書かなければいけない反省レポートに取り組む。




しばらくして、
「だけどさ」
と、言ったのは、息吹ちゃんだった。




「彩葉ちゃんと何かに取り組むことは、正直言って楽しくもあったけどさ」

「うん」

「私、推理してても苦しかったな」
と、息吹ちゃんはまた、ため息を吐いた。



「……」

「苦しかった。ひとりなら、絶対途中で放り投げていた」

「私も、同じかも」

「うん。そうだよねぇ」



決して愉快なことではなかった。

こんなふうに事件が起こって。

不安な日々だった。

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