真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「ねぇ、在学中から好きだったの?」
と、私が尋ねると、
「え?そんなわけないじゃん。好きな先生ではあったけれど、異性として見たことなんてなかったよ」
と、寧々様は私の肩をペシッと叩いた。
「大人の恋だ」
「再会して、恋愛して、結婚だ」
私と息吹ちゃんが再びうっとりしていると、
「あのねぇ、あんた達もそろそろ本気で恋愛しなさいよ」
と、寧々様は言う。
「……れ、れんあい」
「我々には縁遠い世界です」
ふたりで固まる。
「何よ、息吹は同僚の彼がいたじゃない」
「その彼とデートはしてみたものの、理想の彼女像と程遠いという理由で、お別れを致しました」
「は?」
「その彼は今、ゆるふわガーリーな可愛い後輩ちゃんとお付き合いをしているそうです」
「はっ!?」
寧々様がお怒りの顔つきになったところで、息吹ちゃんが私を見る。