真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
きのこのクリームパスタが運ばれてきた時に、寧々様が私を見た。
「ねぇ、あんたの事件帳って、その後どうしたの?」
「えっ?」
寧々様はフォークとスプーンを、私と息吹ちゃんに渡してくれる。
「あの事件の後ってさ、あんた達だいぶ怒られてたじゃない?」
「反省レポートも書いたしね」
と、息吹ちゃん。
「警察まで呼んだんでしょう?学校に、朝早く」
「あぁ、市川さんと話した朝だよね、それ」
と、私も息吹ちゃんを見る。
「警察の力が必要だろうなって思ったの。だってさ、市川さんが素直に応じてくれるとは思えなくて」
「うん、確かに」
と、寧々様は頷く。
「だから朝早く学校から、警察に電話したの。サイレン鳴らさずに、学校まで来てくれませんかって」
「えっ、よくそんなの、警察が応えてくれたよね?」
「それが、後から聞いた話ではね……」
あの日。
私と息吹ちゃんは教室からスマートフォンで警察に連絡をした。