真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
私達ふたりのイメージでは、刑事さん達がサイレンを鳴らしつつパトカーに乗って大勢で乗り込んでくる、というものだった。
でも、実際には。
近所の交番勤務のお巡りさんが、ふたりでやって来てくれたのだった。
サイレンは鳴らさずに来てくれたけれど。
学校に入る際、先生達に、通報があったことを話したお巡りさんは、亮介兄ちゃんだった。
(やっぱりあの時、亮介兄ちゃんは勤務先を隠してたんだな)
そして先生達に連れられて教室に近づいたら。
私達が市川さんと事件について話しているのが聞こえた。
ただ事ではない雰囲気が伝わったのか、亮介兄ちゃんが応援を呼んだ。
先生達もそれを望んだらしい。
「だから、あの時は警察の人達の登場が少し遅かったんだね」
と、息吹ちゃん。
「来ないな、って思ってたよね」
「包丁が出てきた時は、早くーっ!!って思ってたよ、正直」