真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「私、テニス部なんだけどさ、テニス部の後輩何人かがもう退部したいって言ってるの」
「うん、うん!」
と、息吹ちゃんは身を乗り出す。
「だからその後輩達に、文芸部入ればってプレゼンしてもいいよ!文芸部のアピールをしてあげる!」
「それはありがたい!!」
「えっ、ちょっと待ってよ。息吹ちゃんも冷静になって」
私ひとりが焦っている。
(そんな……推理も調査も、何の経験も無いのに!!無理だよ!!)
「女に二言は無い!!決まりね!!」
と、吉井さんが強引に話をまとめた。
「わかった!!頑張ります。だから、これからの文芸部のために、ここはひとつ、よろしくお願いします!!」
「息吹ちゃん……っ!」
「彩葉ちゃん、頑張ろう?」
相変わらずキラキラした目でそう言われると、頷くしか出来ない。
吉井さんは嬉しそうに「ありがとう」と言って、その場から離れた。
「いいの?本当にやるの?」
と、息吹ちゃんに尋ねると、
「……うん。思ったんだけど、吉井さんって何か知っていそうじゃない?」
なんて返事が返ってきて驚く。