真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
息吹ちゃんの家のインターホンのチャイムを押すと、迎えてくれたのは息吹ちゃんのお母さんだった。
「あら、彩葉ちゃん。おはよう。息吹なら部屋にいるけど」
「おばさん、おはようございます。お邪魔します」
玄関から上がり、廊下を進んだ先の階段を上がり、手前の右手の部屋をノックする。
「入って!」
と、息吹ちゃんの声。
ドアを開ける。
部屋の中央で仁王立ちをしている息吹ちゃんと、息吹ちゃんのイトコで私の片想いの相手、佐上 亮介こと亮介兄ちゃんが、なぜか正座している。
「何してんの!?」
思わず尋ねると、息吹ちゃんは険しい顔つきで、
「取り調べ中!手伝って!」
と、言った。
「何が取り調べだっつーの!お前ねぇー、それは脅迫っていうの!」
「きょ、脅迫!?息吹ちゃんが!?」
「彩葉ちゃんからも息吹に何とか言ってやってよ、オレもう、足しびれたよ。限界だよ」