真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー


「何?アンケートがどうかしたの?」
と私が尋ねると、
「あれってさ、もう時田さんが病気で亡くなったんじゃないことが丸わかりだったじゃん」
と、寧々様は言った。



「えっ、あ、そう……?」

「彩葉……、あんた仮にも探偵ごっこをしているんでしょう?」

「ごっこ……」

「もっと目を光らせて、神経とがらせな!」

「……うっ、おっしゃる通りですぅ」



寧々様は「いい?」と、私の前に紅茶が入ったカップを置いてくれる。



「アンケート調査の内容がもう、時田さんの身辺調査みたいだったじゃん。時田さんについて何か知らないですか?みたいな」

「えっ?そうだった?」

「要は時田さんと『あなた』はどんな関係でしたか?困ったことはなかった?何を知ってる?何か気になることはない?みたいな内容じゃん」

「うん……?」



あんまりわかっていない私に、
「あれはいじめ問題とか対人関係とかの調査だよ」
と、寧々様は言い切った。

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