真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「そうなの?……そうか、そういうことか」
「きっとね」
寧々様は紅茶をひと口飲んで、
「あんなアンケート調査とられたらさ、もう、時田さんって病気で亡くなったんじゃないんだなって、誰でも思うよ」
と、呟いた。
「彩葉も息吹も、少し急いだほうがいいよ」
寧々様は鞄から袋を出して、袋の中のクッキーをつまみつつ言う。
「あぁいうアンケートの後だからさ、時田さんの事件の噂が加速すると思うよ。加瀬さんって言ったっけ?その子を守るなら、早く真実を見つけてあげなくちゃ」
寧々様は、
「そうじゃないと、噂に潰されるよ。その子」
と、私達をじっと見つめた。
私と息吹ちゃんは作戦会議をすることになり、部室の一角でノートを広げている。
「まず何をするか、だよね」
「うん。彩葉ちゃんは何をすべきだと思う?」
少し考えてから、
「加瀬さんのアリバイって、確かめられると思う?」
と、質問で返した。