真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「何言ってんの!?友達が死んじゃったんだよ!?うるさいって何だよ!!」
と、堀川さんのグループの女子達は非難する目を市川さんに向ける。
「……くっだらない」
「はぁ!?」
「かーえろっ。ここに居ても仕方がないし」
と、市川さんは鞄を持って、教室を出ようとした。
やり取りを見ていたから。
私は市川さんと目が合ってしまった。
(やばっ)
「何?何か用があるの?」
市川さんは、棘いっぱいの声。
私は黙って首を振る。
……だって、怖くて話せないよ。
「うざっ」
と、捨てゼリフのように言った市川さんは、とっとと教室を出て行った。
私も早く教室から出ようと思って、帰り支度を始めたら。
前の席に座っている男子が、その友達と小声で話しているのが聞こえた。
「……時田さんの噂、いっぱい流れてるからさ、どれが本当かわかんないよな」
「マジ?そんなに噂されてんの?やばくない?なんでその……、亡くなったの?病気?」
「あくまで噂だけどさ」
と、前の席の男子は言う。
「殺されたらしいって噂だよ?」