真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「あ、片付けの邪魔をしてしまって、ごめんなさい」
と、息吹ちゃんが頭を下げる。



「あれ?確か……、柴田さん?」
と、やって来た人が言う。



「先輩、お知り合いですか?」
と、箱を持った彼女が意外そうな表情で、また私達をジロジロと見る。



「あ、私のクラスによく遊びに来てるよね?ほら、二年一組。児玉 寧々さんとよく話しているでしょう?」
と、先輩と呼ばれた彼女は言って、
「確か文芸部の人だよね?柴田さんと、藤沢さん。私が一方的に知ってるって感じ」
箱を持った彼女に説明する。



「あ、あの、改めまして、柴田 息吹です。彼女は藤沢 彩葉さん。女子ソフトボール部で人探しをしていて、お話をお聞きしたいんです」

「あ、そういうことね。飯田(いいだ)はもういいよ。片付けしてきて」
と彼女は言い、
「私は矢戸田(やとだ)っていいます。私で良かったら手伝います。でも、もう少し待ってもらってもいい?片付けを済ませて、制服に着替えたいから」
と、自分の練習着を見下ろした。



私達は頷き、三十分後に学校の近くのファストフード店で待ち合わせをした。

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