真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「えっ……」
と、矢戸田さんも困った顔をしている。



「……?」



私と息吹ちゃんは、矢戸田さんと立川さんの反応に、顔を見合わせる。




「……隠していても仕方ないよね、立川」



矢戸田さんが言った。



「あの、柴田さんも藤沢さんも、これから話すことを私達から聞いたとは他の人に話さないでもらえますか?」

「え、あ、はい。……文芸部の中だけに留めます。文芸部の仲間に話すのは許してもらえますか?」



矢戸田さんは頷いて、
「ふたりが探している第一発見者だけど」
と言って、声のトーンを落とした。



「私達、ふたりなの」




「え?」

「私と立川が見つけたの」
と、矢戸田さんは慎重に言った。



私はメモ帳を開いて、メモを取る準備を始めた。



「そうだったんですか、それならおふたりに聞きたいことがあるんです」
と、息吹ちゃんも驚いた声だったけれど、声のボリュームを落とす。

< 49 / 195 >

この作品をシェア

pagetop