真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
その女子は、か細い声で言う。
「……私じゃ、ない。殺してなんかないっ」
増岡さんはわざとらしく耳の後ろに手を当てて、
「はぁ?何言ってんの!?聞こえない!!はっきり言えよ!!犯人は私、加瀬 有沙ですってさ!!」
と、怒鳴った。
「私じゃない……、違う……」
「じゃあ、誰が殺したんだよ!!お前しかいねーだろ!!加瀬!!千世にいじめられて、恨んでたんだろ!?殺したいくらいに、憎んでたんだろっ!?」
「違う、違います……っ」
加瀬さんと呼ばれた女子は、泣き出した。
そんな加瀬さんを見て増岡さんは、
「泣いて済む話じゃないんだよ!!千世は死んだんだからっ!!帰って来ないんだから!!」
と、泣きながら怒鳴った。
六組の学級委員が、
「先生を呼んでくる」
と、教室を離れたけれど、他のクラスメート達は黙って増岡さんと加瀬さんを見守っていた。
その時。