真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

そこで振り返った寧々様が校門を見つめて、
「外部の犯行って可能性もあるんだよね」
と、呟いた。



「そんなこと考えるとさ、怖いよね」



寧々様は両腕をさする。



「どっちにしても怖いよ。時田さんには申し訳ないけれど、私、時田さんの事件は事故だった、って解決したい」



息吹ちゃんが小声で言う。

私も頷く。






昼休みの間、校内を歩き回ったけれど。

結局は滝口くんを見つけられないまま、昼休みが終わって。

放課後になった。



私は六組に息吹ちゃんを迎えに行くと、息吹ちゃんは首を振ってこう言った。



「滝口くん、早退した」

「え、なんで?体調不良?」

「わかんない。午後の授業には出なかった」



(滝口くんへの謎が深まるなぁ)












翌日の朝。

スマートフォンが振動した。

私は息吹ちゃんからのメッセージを表示して、そのまま固まってしまった。

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