真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
電車の中。
涙目になって、私はひとり慌てた。
休校の間。
息吹ちゃんの家で、私達は作戦会議をした。
「なんで息吹ちゃんは橋谷先生が亡くなったことを知ってたの?」
実はずっと気になっていた。
「矢戸田さんからメッセージが来たから」
と、息吹ちゃんは言う。
「朝早く、裏庭で、うつ伏せに倒れている橋谷先生を発見したらしいよ。ドンって音がしたって。落下したんだと思う。……発見した人は教頭先生と、吹奏楽部の部長が。それで大騒ぎになって、いろんな部活の朝練が中止になったらしい」
「……時田さんの事件と似ているね」
「そうなんだよ、教頭先生に話を聞きに行くのはリスキーだけど、吹部の部長だったら何か教えてくれるかな?」
息吹ちゃんの部屋の真ん中に折りたたみ式のテーブルを設置して。
私達はメモ帳を睨んでいる。
「矢戸田さんが言うにはさ、草むらが血だまりみたいになってたらしいよ」
「えっ!?」