真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

電車の中。

涙目になって、私はひとり慌てた。










休校の間。

息吹ちゃんの家で、私達は作戦会議をした。



「なんで息吹ちゃんは橋谷先生が亡くなったことを知ってたの?」



実はずっと気になっていた。



「矢戸田さんからメッセージが来たから」
と、息吹ちゃんは言う。



「朝早く、裏庭で、うつ伏せに倒れている橋谷先生を発見したらしいよ。ドンって音がしたって。落下したんだと思う。……発見した人は教頭先生と、吹奏楽部の部長が。それで大騒ぎになって、いろんな部活の朝練が中止になったらしい」

「……時田さんの事件と似ているね」

「そうなんだよ、教頭先生に話を聞きに行くのはリスキーだけど、吹部の部長だったら何か教えてくれるかな?」



息吹ちゃんの部屋の真ん中に折りたたみ式のテーブルを設置して。

私達はメモ帳を睨んでいる。



「矢戸田さんが言うにはさ、草むらが血だまりみたいになってたらしいよ」

「えっ!?」

< 85 / 195 >

この作品をシェア

pagetop