真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
吹奏楽部の部長は体調不良を起こしてしまったらしい。
「血だまりって……」
「刺し傷じゃないかって言ってる人がいたって」
「えっ!?」
「詳しいことはわからないけど、彩葉ちゃん、多分橋谷先生は……事故じゃない」
休校が明けて。
県立第二高校の校舎内に入ると。
今まで通っていた所とはどこか違うような、よそよそしさを感じた。
全校集会が行われて。
生徒指導の岡村先生はますます疲れた表情で、こう言った。
「何かあれば、必ずそばにいる大人に相談してください。決してひとりで抱えこまないようにしてください」
岡村先生を見ていると。
先生も怖いんだなって思った。
先生達も、私達と同じ。
危ないことには変わりないんだ。
橋谷先生がそうだったように。
「犯人が見つかるまでは、単独行動は慎みましょう」