真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
えっ。
『犯人』。
はっきりと岡村先生が言ったその言葉が。
次第に頭の中で駆けまわり、苦しくなる。
(殺されたんだ……、橋谷先生)
そう思ってはいたけれど、他の人の言葉で聞かされるとショックが大きい。
全校集会が終わって。
息吹ちゃんと寧々様と一緒に下校した。
「やっぱり事故じゃなかったね」
そう言う息吹ちゃんの隣で、珍しく寧々様がぼんやりしていた。
「どうしたの?寧々様、なんか元気ない?」
「あっ、ごめん」
寧々様はハッとした様子を見せてから、ため息を吐いてこう言った。
「……同じクラスの友達が美術部なんだけど、やっぱりすごくショックみたいだったから」
「うん、そうだよね?橋谷先生って美術部の顧問だもんね」
「……橋谷先生のこともあるし、もうひとつの事件があるみたい」
「えっ?」
(もうひとつの事件?)