真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「は?なんにもわかんないし」
「いい加減にしなさい。ほら、職員室まで行くの!加瀬さんも、いい加減泣き止みなさい。あなたも来るんだからね」
加瀬さんはグズグズ泣きながら、荷物をまとめて廊下に出た。
増岡さんも乱暴に荷物をまとめて、さっさと職員室の方へ歩いて行く。
それを見守ったあと、岡村先生は両手をパンっと叩いて、
「さぁ、帰りなさい!廊下で野次馬している生徒も帰るの!!」
と、大声を出す。
六組から人がぞろぞろと出て行く。
廊下で見ていた野次馬達も階段を下りて行く。
「帰ろう、彩葉ちゃん。待たせてごめんね」
と言ったのは、息吹ちゃんだった。
「いいよ、息吹ちゃんのせいじゃないよ」
「教室から出にくい空気だったから」
「うん、わかるよ」
私達はトボトボと廊下を歩き、階段を下りて行った。
「……時田 千世さんってさ、息吹ちゃんは話したことがあるの?」