真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

県立第二高校の昼休みの中庭で。

私と息吹ちゃんは、購買で買ったジュースを片手に、裏庭のほうを見ていた。

まだ裏庭の入り口には『立ち入り禁止』と書かれた、黄色いテープが貼ってある。




「外部の犯行ならさ、まず問題があるんだよね」
と、息吹ちゃんは口を開いた。



「時田さんと橋谷先生は落下した。多分、屋上から」

「うん」

「その場合、どうしても必要な物があるんだ」



(えっ?)






「屋上に続く扉の鍵」






「あっ、そっか!確かにそうだ。屋上への扉って、普段鍵がかかってるもんね?」

「そう。職員室にある鍵がどうしても必要になる。外部の人間だった場合、校内に忍び込んで職員室から鍵を奪って、時田さんや橋谷先生を屋上に連れて来なくちゃいけない」

「しかも、校内では誰にも見つからないようにしなくちゃいけないもんね?」



息吹ちゃんは頷き、
「外部の人間って、まず怪しいもんね。無許可で校内に入るのも、いけないことだし」
と、言った。

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