真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「あ……」
私はある考えが浮かんだ。
「息吹ちゃん、時田さんの事件で考えてみるとしてだよ?……もしもさ、時田さんが鍵を持っていたら?」
「え?」
「時田さんが職員室から鍵を持ち出していたならさ、外部の人間がわざわざ職員室に行かなくても、屋上に行ける。時田さんが一緒なら」
「……そうか。そういう可能性だってあるのか」
息吹ちゃんは少しだけ黙った。
それから、
「鍵が、鍵だね」
と呟いた。
「この謎を解く鍵はさ、まず、屋上への扉の鍵を誰が職員室から持ち出したのかってことだね」
「うん」
と、私は頷く。
「どうやって調べる?彩葉ちゃん、良いアイディアない?」
「うーん……、先生達に聞くのは避けたいよね。事件を調べてるってことを知られたら、何か言われそうだし」
「リスキーだよね」
私はメモ帳を取り出した。
何かここにヒントがないかな、と思ったから。
「……あっ」
「な、何?」
私は見つけた。