真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
校庭では陸上部をはじめ、野球部、サッカー部、ソフトボール部などが練習をしている。
「水川先生が、ずっと校庭にいるね」
「息吹ちゃん、それは水川先生が顧問だからだよ」
「林堂先生はあんまり部室に来ないのに」
「文芸部は普段から、活動らしいことをしてないから」
息吹ちゃんは頬を膨らませて、
「陸上部の人に話を聞きに行くのは、部活終了後だね」
と、残念そうに言った。
私も頷き、ふたりして東校舎に帰って来た。
文芸部の部室。
寧々様が紅茶を淹れてくれた。
「……あんた達、意外と時間かかってない?」
息吹ちゃんは頷く。
とても残念そうに。
「すぐに見つけられるとは思ってなかったけれど、こんなに大変だとは思わなかった」
「加瀬さん、大丈夫なの?」
寧々様は心配そうに尋ねた。
「……それが、時田さんのグループの人達、あの日から加瀬さんのことを構わなくなって」
「いじめがなくなったってこと?」
「……わかんない。でも丸くおさまった感じは全く無くて。どちらかというと、関わらないようにしている感じ」