真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

校庭では陸上部をはじめ、野球部、サッカー部、ソフトボール部などが練習をしている。



「水川先生が、ずっと校庭にいるね」

「息吹ちゃん、それは水川先生が顧問だからだよ」

「林堂先生はあんまり部室に来ないのに」

「文芸部は普段から、活動らしいことをしてないから」



息吹ちゃんは頬を膨らませて、
「陸上部の人に話を聞きに行くのは、部活終了後だね」
と、残念そうに言った。



私も頷き、ふたりして東校舎に帰って来た。



文芸部の部室。

寧々様が紅茶を淹れてくれた。



「……あんた達、意外と時間かかってない?」



息吹ちゃんは頷く。

とても残念そうに。



「すぐに見つけられるとは思ってなかったけれど、こんなに大変だとは思わなかった」

「加瀬さん、大丈夫なの?」



寧々様は心配そうに尋ねた。



「……それが、時田さんのグループの人達、あの日から加瀬さんのことを構わなくなって」

「いじめがなくなったってこと?」

「……わかんない。でも丸くおさまった感じは全く無くて。どちらかというと、関わらないようにしている感じ」

< 93 / 195 >

この作品をシェア

pagetop