真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「文芸部とは名ばかりの、漫画大好き集団だけどさ!息吹ちゃん、私達はチームだよ」
「彩葉ちゃん……」
「私、何にも推理とか出来ないけどさ、息吹ちゃんの相棒としてメモはバッチリ取るからね!!」
寧々様の淹れてくれた紅茶を飲んで、私達は会議を始めるためにテーブルに着いた。
その時。
「お疲れさまでーす」
と部室に入ってきたのは、唯一の一年生部員、山田ゆみちゃんだった。
「あれ?先輩達だけですか?」
「そうだよ、ゆみちゃん久しぶり」
ゆみちゃんは耳の下で二つに結った長い髪の毛をいじりつつ、
「先輩達って、この間亡くなった時田さんの事件を調べているって、本当ですか?」
と、聞いてきた。
「えっ?誰から聞いたの?」
私が質問で返すと、ゆみちゃんは「本当なんだ」と呟き、
「同じクラスの飯田って人です。ソフトボール部の」
と、眉根を寄せながら答えた。