真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「飯田?」
と、寧々様。



息吹ちゃんは、
「話を聞こうとしたら、嫌そうにされたことがある人だ」
と、思い出すように言う。



「そうなんですよぉ、飯田さんってそういう所ありますー。私、あんまり得意じゃないですぅ」



ゆみちゃんがさり気なく、でもしっかりと本音をもらす。



「あんまりそういうこと、言わないんだよ」
と、寧々様がたしなめるように言うと、ゆみちゃんは眉間にシワを寄せて言い返した。



「いやぁー、私、我慢出来ないですね。あの人、文芸部のこと馬鹿にしてますよ。まじで」


テーブルに近づいたゆみちゃんは、
「で?調べてるんですね?事件のこと」
と、息吹ちゃんに尋ねた。



「……うん、まぁ、そうだよ。彩葉ちゃんと私で、依頼されたの」

「すごいですね、先輩達!あの、私にもお手伝いできることがあれば、何でも言ってください」

「え、あ、ありがとう!ゆみちゃん!」

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