真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

私はメモ帳をパラパラ見て、
「陸上部の誰に話を聞くかだよね」
と、誰に言うでもなく呟く。



「えっ、陸上部?」



ゆみちゃんがピコンっと跳ねた。



「何?」

「彩葉先輩、『何』じゃないですよ!!陸上部に話、聞きたいんでしょう?」

「えっ、うん」



私は眼鏡を外し、眼鏡拭きでレンズをキレイに拭く。



「早速頼ってくださいっ」

「ん?」



私は眼鏡をかけ直す。

さっきからゆみちゃんが何を言いたいのか、よくわからない。



「陸上部っ!呼び出せます!!」

「えっ!?」



私達は前のめりの姿勢で、
「ど、どういうこと!?ゆみちゃんっ」
と、ゆみちゃんの肩を揺らす。



「か、彼氏が、り、陸上、部なん、ですっ」



肩を揺らされながら言った、ゆみちゃんの思いがけない言葉に一番に反応したのは、寧々様だった。



「か、彼氏!?」



思わず顔を赤らめてしまう私達。



「えっ、何か赤面する要素、ありましたか?」
と、ゆみちゃんの不思議そうな顔。

< 97 / 195 >

この作品をシェア

pagetop