真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
私はメモ帳をパラパラ見て、
「陸上部の誰に話を聞くかだよね」
と、誰に言うでもなく呟く。
「えっ、陸上部?」
ゆみちゃんがピコンっと跳ねた。
「何?」
「彩葉先輩、『何』じゃないですよ!!陸上部に話、聞きたいんでしょう?」
「えっ、うん」
私は眼鏡を外し、眼鏡拭きでレンズをキレイに拭く。
「早速頼ってくださいっ」
「ん?」
私は眼鏡をかけ直す。
さっきからゆみちゃんが何を言いたいのか、よくわからない。
「陸上部っ!呼び出せます!!」
「えっ!?」
私達は前のめりの姿勢で、
「ど、どういうこと!?ゆみちゃんっ」
と、ゆみちゃんの肩を揺らす。
「か、彼氏が、り、陸上、部なん、ですっ」
肩を揺らされながら言った、ゆみちゃんの思いがけない言葉に一番に反応したのは、寧々様だった。
「か、彼氏!?」
思わず顔を赤らめてしまう私達。
「えっ、何か赤面する要素、ありましたか?」
と、ゆみちゃんの不思議そうな顔。