真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「いや、いいの。放っておいてくれて大丈夫」
と、寧々様は強がる。
「?」
「本当に大丈夫だから。苦手なだけ。そういうキラキラした素敵なワードを、リアル世界で聞くことが」
と、私は説明する。
「苦手なんですか?」
「そういうの、私達には関係ないから」
と、笑ってみせる。
(片想いはしていても、両想いの可能性なんて考えたことなんかないし)
ふと、そう思ってしまって。
亮介兄ちゃんの顔がチラッと浮かんだ。
(好きな人に好かれるって、すごいことなんだなぁ)
ゆみちゃんをまじまじと見てしまう。
ゆみちゃんは、
「マジか……、先輩達のピュアさにはまじで脱帽ですっ」
と、何故か頭を下げている。