【短】みやまの花嫁
****
Side:弥世
知らない男の子に、手を取られた。
からからしていて、元気な男の子。
わたしよりも少し、背が高い。
「あ、お前お金持ってるの?」
「……おかね?」
「は~、持ってないんだな。買いたいものはいっぱいあるけど……しょうがねー。“おごって”やるよ!」
「……ありがとう」
よく分からないけれど、何かをしてもらった時にはお礼を言わないと。
“いつも感謝の心を持っていなさい”って、お姉さんもよく言っているもの。
沢山の人がそこら中にいて、窓から吹き入るような風が全身を包み込む。
見慣れない服装。
慣れない外。
賑やかな話し声。
……落ち着かない。
Side:弥世
知らない男の子に、手を取られた。
からからしていて、元気な男の子。
わたしよりも少し、背が高い。
「あ、お前お金持ってるの?」
「……おかね?」
「は~、持ってないんだな。買いたいものはいっぱいあるけど……しょうがねー。“おごって”やるよ!」
「……ありがとう」
よく分からないけれど、何かをしてもらった時にはお礼を言わないと。
“いつも感謝の心を持っていなさい”って、お姉さんもよく言っているもの。
沢山の人がそこら中にいて、窓から吹き入るような風が全身を包み込む。
見慣れない服装。
慣れない外。
賑やかな話し声。
……落ち着かない。