【短】みやまの花嫁
焼き鳥とラムネ
男の子の真似をして、口元を隠しながら、わたしも串の先のお肉を食べてみる。
……美味しい。
「んめー! やっぱ焼き鳥っていいな~!」
口を開けて喋り出した男の子を見て、びっくりした。
もう30回噛んだのかな。
男の子って食べるのが早いんだ……。
もぐ、もぐ、もぐ、もぐ、もぐ。
しっかり噛んでから、ごくりと飲み込んで、わたしも喋る。
「……美味しいね」
「だろー! 次はこっちな、こっち!」
男の子は透明な箱を持った手で別の屋台を指さして、2つ目のお肉を食べながら歩いて行った。
あ、歩きながら、食べるの……?
周りの人も食べ物を持ちながら、食べながら歩いて、楽しそうにお話している。
ここでは、そういう“作法”みたい。