【短】みやまの花嫁
不思議な少女
Side:谷口永悟
「ロマンチックな話だろう?」
「え? 何が?」
あ、しまった。
いい顔で語ってた兄ちゃんは、おれを見て睨む。
「え? じゃない。永悟、お前、俺の話を聞いてなかったな?」
「うわっ、ごめんって! 兄ちゃんの話たいくつなんだもん!」
「なんだと~? せっかくお祭りに行ってきていいっていう母さんの伝言を預かってるのに」
「え、マジで!?」
退屈な“荷造り”から解放されるのか!?
思わずボストンバッグを手離すと、兄ちゃんに頭をぐしゃぐしゃっと押さえられた。
「この野郎、俺の話を聞いてから行けっ。いいか? 深山祭りには縁結びの噂があってだな」
「わっ、えん結びってなんだよ?」
「男女の縁を結ぶこと、すなわち恋人や夫婦になることだ!」
「ロマンチックな話だろう?」
「え? 何が?」
あ、しまった。
いい顔で語ってた兄ちゃんは、おれを見て睨む。
「え? じゃない。永悟、お前、俺の話を聞いてなかったな?」
「うわっ、ごめんって! 兄ちゃんの話たいくつなんだもん!」
「なんだと~? せっかくお祭りに行ってきていいっていう母さんの伝言を預かってるのに」
「え、マジで!?」
退屈な“荷造り”から解放されるのか!?
思わずボストンバッグを手離すと、兄ちゃんに頭をぐしゃぐしゃっと押さえられた。
「この野郎、俺の話を聞いてから行けっ。いいか? 深山祭りには縁結びの噂があってだな」
「わっ、えん結びってなんだよ?」
「男女の縁を結ぶこと、すなわち恋人や夫婦になることだ!」