【短】みやまの花嫁
スーパーボールすくい
ラムネを飲みながら、“ベンチ”と言うらしい置物に座って休むこと、しばらく。
永悟は3分の1まで中身の減った瓶を持って、立ち上がった。
「よっしゃー、そろそろスーパーボールすくいに行くぞ!」
「うん……」
燃えるような瞳を屋台に向ける永悟を見上げて、立ち上がる。
近くにあった屑籠に串を捨ててから、わたしは永悟と一緒に屋台が並ぶ方へと戻った。
永悟が足を止めたのは、水が張られた、大きくて底が浅い長方形の箱の前。
ぷかぷかと、色とりどりの小さな球が沢山浮かんでいる。
「おっちゃん、勝負だ!」
「おうよ、2人だな? ポイが破けて使えなくなるまで、1回100円だ」
「よ~し、今年もやってやる!」
「……」