【短】みやまの花嫁
「外に出ちゃだめって……そんなのおかしいだろ。弥世、あのみこさんにずっと、とじこめられてたのか!?」
「とじこめ……? でも、わたしは……神様の、およめさんになるから」
「……は?」
永悟が、目と口を丸くしている。
わたしは首を傾げて永悟を見ながら、喋った。
「外に出て、けがれたらだめだから。今日と明日は、特別……“よめ入り前”は、お祭りに行くことが許されるの」
「なんだ、それ……」
「明日の夜、わたしは神様が住む“ほんでん”に移り住んで……ずっと、神様と一緒にくらすのよ」
“嫁入り”したら、お姉さんとも会えなくなってしまうけれど。
“神様がおられるから、寂しくないわ”って、お姉さんが言っていた。