【短】みやまの花嫁
永悟がいなくても、楽しいかもしれない。
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歩き疲れて境内に戻ると、拝殿の前の舞台が目に入って、吸い寄せられるように近付いた。
今日の舞が終わったら、“嫁入り”の時間になる。
「……」
わたしは、お嫁さんになりたくないのかな。
……ううん。お嫁さんに、なりたい。
だって、それがわたしの運命だもの。
でも、楽しいこともしたい。
「1人じゃ上手く、楽しめなかった……永悟……」
また、教えて欲しい。
楽しいこと、いっぱい。
でも……もう、会えないんだよね……?
「……」
「弥世!」
びっくりして、肩が跳ねた。
この声……永悟……?
信じられないような気持ちで、ゆっくり振り返ると、左手を取られた。
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歩き疲れて境内に戻ると、拝殿の前の舞台が目に入って、吸い寄せられるように近付いた。
今日の舞が終わったら、“嫁入り”の時間になる。
「……」
わたしは、お嫁さんになりたくないのかな。
……ううん。お嫁さんに、なりたい。
だって、それがわたしの運命だもの。
でも、楽しいこともしたい。
「1人じゃ上手く、楽しめなかった……永悟……」
また、教えて欲しい。
楽しいこと、いっぱい。
でも……もう、会えないんだよね……?
「……」
「弥世!」
びっくりして、肩が跳ねた。
この声……永悟……?
信じられないような気持ちで、ゆっくり振り返ると、左手を取られた。