【短】みやまの花嫁


「永悟……」


「待たせてごめん。弥世、おれといっしょに行こう!」


「えっ……?」




目が丸くなる。

一緒に行こうって、どこに……?




「神様なんかにやらない! おれが外の楽しいこといっぱい教えてやるから、およめさんになんてなるな!」


「……っ」




力強くわたしの手を握って、目を痛めるくらい強い意志を放つ、太陽みたいな瞳で、永悟はわたしを見つめた。

その言葉に、胸の中をくすぐられたような感覚がして、何か、よく分からないものが込み上げてくる。




「でも、わたし、およめさんになりたい……っ。ずっと、そう思ってきたから……それがわたしの、運命だから……っ」


「それでいいのかよ! 弥世だって本当はもっと楽しいことしたいんだろ!」


「……っ。で、でも、そう、かんたんに……!」
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