【短】みやまの花嫁
変えられないよ。
だって、ずっと今日を夢見てきた。
神様のお嫁さんになる日を、わたしのお役目を果たせる日を。
神様のお嫁さんになれる時まで、初潮がくるまで、わたしに意味はなくて。
だから、だから、お嫁さんにならないと……っ。
「あ~、もうっ! だったら、おれのおよめさんにしてやるよ!」
「!?」
目を真ん丸に見開いて、ぽかんと口を開けた。
永悟はちょびっと頬を赤くして、わたしに叫ぶ。
「いっぱい外に連れてってやる! 色んな楽しいこと教えてやる! だから、神様とじゃなくて、おれとけっこんしろ!」
「永、悟……っ」
「およめさんになりたいなら、それでいいだろ! ――弥世、おれといっしょに来い!」