【短】みやまの花嫁


どく、どくと心臓の音が聞こえた。

永悟の全部がきらきらして見えて、太陽みたいに、眩しくて。

繋いだ手が、火に触れてるみたいに熱い。


永悟の、お嫁さん……。

神様じゃなくて、永悟の……。


じゅわり、と顔が熱くなる。




「うん……っ!」




どき、どき、どき。

風邪を引いた時のような熱っぽさの中、わたしは永悟の手をぎゅっと握り返した。

永悟がにこっと、燦燦と輝く太陽のような笑顔を浮かべる。




「弥世? 何を話しているの!?」


「げっ……」


「お姉さん……っ」




拝殿の方からお姉さんが向かってくるのを見て、わたしは永悟に言った。




「こっち!」


「わっ、弥世!?」
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