【短】みやまの花嫁
「だれかが、ぎせいになってできた平和なんて、ほしくねーっての!」
「永悟……っ。もうすぐよ……!」
しっかりと握った手を離さず、崖のような山壁を滑り降りて、光が見える方へ真っ直ぐ走っていく。
「私だって、実の妹を生贄にしたくなかったのに! 覚悟を決めて、ここまで……!」
遠くから、お姉さんの声が聞こえたような気がした。
木々の中を抜けると、そこには黒い地面が横一線に続いていて。
「道路だ……! よし、おれん家に行くぞ、弥世!」
「うん……っ」
ほっとして緩んだ手を握り直して、導かれるまま走っていく。
見たことのない建物、黒い地面が続く道、目に映るもの全て、知らない世界。
わたしは永悟と、刺激に満ちた外の世界を生きていきたい……っ。
「永悟……っ。もうすぐよ……!」
しっかりと握った手を離さず、崖のような山壁を滑り降りて、光が見える方へ真っ直ぐ走っていく。
「私だって、実の妹を生贄にしたくなかったのに! 覚悟を決めて、ここまで……!」
遠くから、お姉さんの声が聞こえたような気がした。
木々の中を抜けると、そこには黒い地面が横一線に続いていて。
「道路だ……! よし、おれん家に行くぞ、弥世!」
「うん……っ」
ほっとして緩んだ手を握り直して、導かれるまま走っていく。
見たことのない建物、黒い地面が続く道、目に映るもの全て、知らない世界。
わたしは永悟と、刺激に満ちた外の世界を生きていきたい……っ。