婚約破棄された社交苦手令嬢は陽キャ辺境伯様に愛される〜鏡の中の公爵令嬢〜



◆ ◆ ◆




「今日は我が未来の妻の歓迎会だ。みんな、楽しんでくれぃ!」

 非常に非常に気を揉んだ領地の視察が終わったと思ったら、今度は宴会のはじまりだ。
 王都で行われる貴族のお上品なパーティーと違って、貴族も平民も入り乱れ……というか、ほぼ平民たちの飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎである。

 辺境は国防の要でもあるので、完全実力主義を貫いている。無慈悲な魔物の前に、身分なんて関係ないのだ。
 生き残るため、そして国を守るために、ここには腕揃いの兵士たちや技術者たちが集まっているのだった。


「おい、中央貴族令嬢。これも食えや」

「ありがとう。……あら、とっても美味しいわね」

「それ、昼に森にいた巨大4連カエルだぞ。ぷぷっ」

「きゃあぁっ! なんてものを食べさせるのっ!?」

「お前、旨いって言ったじゃん」

「こらこら、ブレイク~。マギーに変なものを食べさせるんじゃない!」

「もう~、デニス様はこの女に甘すぎ~」

「マギー、苦手なものがあったら遠慮せずに言ってくれ。代わりに俺が食べよう」

「……とりあえずゲテモノ類はよしていただけます?」

「なんだと? 巨大4連カエルのどこがゲテモノなんだよ!」

「ブ~レ~イ~ク~~」
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