婚約破棄された社交苦手令嬢は陽キャ辺境伯様に愛される〜鏡の中の公爵令嬢〜

 ――カサッ。

 その時、奥の茂みで物音が聞こえた。
 また辺境伯かしら? あの人、たまに変な行動を取るから。……まぁ、いつもだけど。

「辺境伯様? なにをなさっていますの? もう、バレバレなんですからね」

「……」

 返事はない。全く、なにをやってるのかしら。

 仕方なく、斧を置いて茂みのほうへ向かう。きっと辺境伯がまた馬鹿な真似をやっているんだわ。本当に子供なんだから。

「ちょっと、辺境伯様? いい加減に――きゃあああぁぁぁぁぁぁあっっ!!」


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