婚約破棄された社交苦手令嬢は陽キャ辺境伯様に愛される〜鏡の中の公爵令嬢〜
9 辺境の人たち
◆ ◆ ◆
「デニス様っ!!」
思わず、彼の名前を叫んだ。
周囲までも溶かすような灼熱の炎が、巨大なドラゴンを呑み込む。太陽のように真っ赤な球体は、瞬く間に肉を燃えたぎらせて、ぐつぐつと沸騰するみたいに象っているものを変化させた。
「デニス様っ、今ですわっ!」
「……! あ、あぁ!」
デニス様は短く呪文を唱えて、人くらいの大きさの鋭利な水の杭を作り出す。
そして、渾身の力を込めて投擲。ドラゴンの心臓を貫いた。
耳をつんざく断末魔の咆哮は、中心街の端まで鳴り渡り、人々を震えさせたのだった。
その後は、沈黙。
戦いの終わった兵士たちは、眼前の光景に言葉を失って、茫然自失と立ち尽くす。
数拍して、
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおっっ!!」」」」」
感動と興奮と激情の入り混じった歓声が、雲ひとつない晴れやかな青空に響いた。
「デニス様っ!!」
思わず、彼の名前を叫んだ。
周囲までも溶かすような灼熱の炎が、巨大なドラゴンを呑み込む。太陽のように真っ赤な球体は、瞬く間に肉を燃えたぎらせて、ぐつぐつと沸騰するみたいに象っているものを変化させた。
「デニス様っ、今ですわっ!」
「……! あ、あぁ!」
デニス様は短く呪文を唱えて、人くらいの大きさの鋭利な水の杭を作り出す。
そして、渾身の力を込めて投擲。ドラゴンの心臓を貫いた。
耳をつんざく断末魔の咆哮は、中心街の端まで鳴り渡り、人々を震えさせたのだった。
その後は、沈黙。
戦いの終わった兵士たちは、眼前の光景に言葉を失って、茫然自失と立ち尽くす。
数拍して、
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおっっ!!」」」」」
感動と興奮と激情の入り混じった歓声が、雲ひとつない晴れやかな青空に響いた。