婚約破棄された社交苦手令嬢は陽キャ辺境伯様に愛される〜鏡の中の公爵令嬢〜


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 そして、ドラゴン退治の日から変化が起きた。
 ずっと一人で作業していた小屋作りにデニス様が加わり――今は領民の方々も手伝いに来てくれているのだ。

 皆、最初は未来の領主の妻である公爵令嬢と、どう接すれば良いか困惑していたらしい。王都から来たよそ者、しかも王太子の元婚約者なので遠慮していたみたいだった。

 でも、あのドラゴンの討伐と後の宴会で、わたしとの間に出来ていた壁はすっかりと取り除かれたみたいだった。今では領地の住人たちともすっかりと打ち解けた気がするわ。……ブレイク子爵令息を除いて。


「辺境伯夫人、疲れたでしょう? 軽食を用意しましたわ。休憩にしましょう」

「まぁっ、ありがとう! もう、お腹ぺこぺこなの」

「あんなに働いているとそりゃ空腹になりますよ」

「だからか最近は今まで以上にご飯がとっても美味しいのよねぇ~」

 最近は女性陣とお話する機会も増えてきた。わたしたちは小さなお茶会を開いて、他愛もないお喋りに花を咲かせる。
 王都にいた頃は、王妃教育で手一杯で、他の令嬢とゆっくりと話す機会なんてなかったから、同性の人たちとわいわいと過ごすのが楽しかった。
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