【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
だから、王家からも一際人望が厚かったマリエット侯爵家の子息を王太子として育て、そして未来の国王として育てることにした。
立派な王太子として育ち、ディオン様の20歳の誕生日に全ての真実を打ち明ける予定だった。
「お前はそこにいるクロード伯爵令嬢にうつつを抜かしてここ数ヵ月は勉学を怠り、そしてクラリスと婚約破棄をした。さらに私欲のために国庫金に手を付けたな? よって、お前にこの国の未来を預けることはできない」
「なっ! 待ってください、父上!」
「ディオン様、私は何度も忠告したはずです。このままだとあなたは王太子でいられなくなってしまう、と。でも、あなたは学ぶことをやめ、そして悪事に手を染めてしまった」
そう、あなたは私の願いを聞いてくださらなかった。
「残念だ、行こう。クラリス」
「はい」
ディオン様はどうしていいかわからずにその場にへたり込んだ。
ああ、もう彼は立ち上がれないだろう。
すると、謁見の間の扉の近くのほうから聞きなれた声がした。
「国王陛下、ご無沙汰しております」
立派な王太子として育ち、ディオン様の20歳の誕生日に全ての真実を打ち明ける予定だった。
「お前はそこにいるクロード伯爵令嬢にうつつを抜かしてここ数ヵ月は勉学を怠り、そしてクラリスと婚約破棄をした。さらに私欲のために国庫金に手を付けたな? よって、お前にこの国の未来を預けることはできない」
「なっ! 待ってください、父上!」
「ディオン様、私は何度も忠告したはずです。このままだとあなたは王太子でいられなくなってしまう、と。でも、あなたは学ぶことをやめ、そして悪事に手を染めてしまった」
そう、あなたは私の願いを聞いてくださらなかった。
「残念だ、行こう。クラリス」
「はい」
ディオン様はどうしていいかわからずにその場にへたり込んだ。
ああ、もう彼は立ち上がれないだろう。
すると、謁見の間の扉の近くのほうから聞きなれた声がした。
「国王陛下、ご無沙汰しております」