【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
そんなの誰が信じるのだろうか、と思っていたけど、まさかこの王太子が信じるとは……。
しかも、その悪女──クロード伯爵令嬢と今度は婚約なさる気なんて。
「なんだ? あまりの自分の悪事に言葉が出ないか?」
なんですって? 「自分の悪事」にですって?
言葉が出ないのはあなたが単純にバカだからよ。
ああ、あなたを信じていた私がバカみたいじゃない……。
クロード伯爵令嬢はディオン様の前でか弱い女の子を演じると、彼は「俺が守るから!」といった感じで彼女のうるうるした目を見つめる。
そうね、まあ彼女は可愛らしい見た目でいかにもお姫様のようなふわっとした雰囲気。
でもその奥に隠された悪女の顔を、彼はまだ気づいていなさそう。
はあ、こんな男と離れられてむしろ清々するわ。
私は最後の別れといわんばかりに素晴らしく品のある動きでカーテシーをすると、笑顔を浮かべて言い放つ。
「ええ、ぜひとも婚約破棄をお受けいたしますわ。クロード伯爵令嬢、王太子殿下をどうぞよろしくお願いいたします」
「なっ!」
しかも、その悪女──クロード伯爵令嬢と今度は婚約なさる気なんて。
「なんだ? あまりの自分の悪事に言葉が出ないか?」
なんですって? 「自分の悪事」にですって?
言葉が出ないのはあなたが単純にバカだからよ。
ああ、あなたを信じていた私がバカみたいじゃない……。
クロード伯爵令嬢はディオン様の前でか弱い女の子を演じると、彼は「俺が守るから!」といった感じで彼女のうるうるした目を見つめる。
そうね、まあ彼女は可愛らしい見た目でいかにもお姫様のようなふわっとした雰囲気。
でもその奥に隠された悪女の顔を、彼はまだ気づいていなさそう。
はあ、こんな男と離れられてむしろ清々するわ。
私は最後の別れといわんばかりに素晴らしく品のある動きでカーテシーをすると、笑顔を浮かべて言い放つ。
「ええ、ぜひとも婚約破棄をお受けいたしますわ。クロード伯爵令嬢、王太子殿下をどうぞよろしくお願いいたします」
「なっ!」