【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
哀れみの様子をよそおってはいるが、皆私が恋人であるディオン様と離れることになったと思って内心は嘲笑っているのだろう。
マリエット侯爵家といえば王族から非常に厚い信頼を得ていることを誰もが知っているため、おおっぴらには私に何か言ったり、したりということはない。
だが、裏で「私の方が優れた美貌なのに」とか悔しそうにしている声は何度か聞いたことがある。
まあ、学園ももう少しで卒業だから卒業したらもっと勉学に励むことにしましょう。
私は勉強のために訪れていた王宮書庫室を出て、今までと変わらない私の家──マリエット侯爵家へ帰ろうとした。
「クラリス様」
「?」
その時、私を呼ぶ声がして振り返るとそこにはしばらくぶりの顔があった。
「あら、リオネル様」
「ご無沙汰しております、クラリス様」
リオネル様はこの国の騎士であり、長らく辺境の守護兵長をお勤めになっていた方。
先日、その功績や強さが認められ、若干26歳にして聖騎士長となられた。
聖騎士長といえばこの国で最も偉い王族直轄軍の指揮官であり、国の軍部をまとめる人材。
マリエット侯爵家といえば王族から非常に厚い信頼を得ていることを誰もが知っているため、おおっぴらには私に何か言ったり、したりということはない。
だが、裏で「私の方が優れた美貌なのに」とか悔しそうにしている声は何度か聞いたことがある。
まあ、学園ももう少しで卒業だから卒業したらもっと勉学に励むことにしましょう。
私は勉強のために訪れていた王宮書庫室を出て、今までと変わらない私の家──マリエット侯爵家へ帰ろうとした。
「クラリス様」
「?」
その時、私を呼ぶ声がして振り返るとそこにはしばらくぶりの顔があった。
「あら、リオネル様」
「ご無沙汰しております、クラリス様」
リオネル様はこの国の騎士であり、長らく辺境の守護兵長をお勤めになっていた方。
先日、その功績や強さが認められ、若干26歳にして聖騎士長となられた。
聖騎士長といえばこの国で最も偉い王族直轄軍の指揮官であり、国の軍部をまとめる人材。