【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
廊下では壁にもたれかかるようにして私を待ってくださっていたリオネル様が、こちらを見て少し微笑んだ。
何か私の顔が暗かったのか、私を心配するように顔を覗き込んでくる。
「大丈夫ですか?」
「え、ええ……、その、えっと……」
私は診察内容を伝える前に、気になって仕方ないことを言う。
「リオネル様、その、顔が、近いです……」
「ん? それは失礼した。女性にいきなり近づくのは失礼でしたよね。申し訳ございません」
「あ、いえ! その、そういう意味ではなく……」
『あまりの顔の綺麗さで恥ずかしくなるんです』なんて言えず、顔を赤らめて逸らしてしまう。
不思議だとでも言いたいような顔をして首をかしげているリオネル様。
私は顔を合わせづらくなって、急ぎ足でその場を去った──
◇◆◇
それから数日経ったある日、王都の街は大きな賑わいを見せていた。
屋台のような店の準備がせっせと執り行われており、お祭り騒ぎとなっている。
まあ、無理もない。
本当にお祭りが近づいてきており、明日王都の中心部であるこの街では大々的な「オレア祭」と呼ばれる祭りが行われる。
何か私の顔が暗かったのか、私を心配するように顔を覗き込んでくる。
「大丈夫ですか?」
「え、ええ……、その、えっと……」
私は診察内容を伝える前に、気になって仕方ないことを言う。
「リオネル様、その、顔が、近いです……」
「ん? それは失礼した。女性にいきなり近づくのは失礼でしたよね。申し訳ございません」
「あ、いえ! その、そういう意味ではなく……」
『あまりの顔の綺麗さで恥ずかしくなるんです』なんて言えず、顔を赤らめて逸らしてしまう。
不思議だとでも言いたいような顔をして首をかしげているリオネル様。
私は顔を合わせづらくなって、急ぎ足でその場を去った──
◇◆◇
それから数日経ったある日、王都の街は大きな賑わいを見せていた。
屋台のような店の準備がせっせと執り行われており、お祭り騒ぎとなっている。
まあ、無理もない。
本当にお祭りが近づいてきており、明日王都の中心部であるこの街では大々的な「オレア祭」と呼ばれる祭りが行われる。