【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
唖然とその場で立ち尽くすディオン様と、頬を引きつりながら顔を歪めるクロード伯爵令嬢。
ええ、その顔、いい気味だわ。せいぜいそのバカ男に一生振り回されていなさい。
それに、もうあなたはこれで終わりね。
私はスカートを翻して二人に背を向けると、そのまま両手を扉を開けて退室した──
煌びやかな絵画や彫刻品の数々が並んでいる廊下を歩きながら、私は少しばかり感傷に浸る。
気づいていたのよ、ディオン様に好きな人ができたことを。
知っていたのよ、その人はふんわりとした柔らかい髪と笑顔で皆を魅了するクロード伯爵令嬢だってこと。
わかっていたのよ、いずれ私はもうあなたの傍にいられなくなることを。
私は段々勉学にも励まなくなった彼に、何度も何度も声をかけてきちんと勉強をしてほしいとお願いしたわ。
だけど、いくら私があなたに言っても、あなたの耳に、心にはもう私の思いは届かなかった──
このままではあなたは王太子でいられなくなってしまうわ、と言ったけどそれもだめだった。
「そんなことになるわけない」って言い張って、また彼女のところへ行ってしまった。
ええ、その顔、いい気味だわ。せいぜいそのバカ男に一生振り回されていなさい。
それに、もうあなたはこれで終わりね。
私はスカートを翻して二人に背を向けると、そのまま両手を扉を開けて退室した──
煌びやかな絵画や彫刻品の数々が並んでいる廊下を歩きながら、私は少しばかり感傷に浸る。
気づいていたのよ、ディオン様に好きな人ができたことを。
知っていたのよ、その人はふんわりとした柔らかい髪と笑顔で皆を魅了するクロード伯爵令嬢だってこと。
わかっていたのよ、いずれ私はもうあなたの傍にいられなくなることを。
私は段々勉学にも励まなくなった彼に、何度も何度も声をかけてきちんと勉強をしてほしいとお願いしたわ。
だけど、いくら私があなたに言っても、あなたの耳に、心にはもう私の思いは届かなかった──
このままではあなたは王太子でいられなくなってしまうわ、と言ったけどそれもだめだった。
「そんなことになるわけない」って言い張って、また彼女のところへ行ってしまった。