オレンジジュースを飲む頃


「じゃあ、帰るね」

「う、うん……」


1時間後。

光瑠は何事も無かったかのように、自転車に乗り、帰り道を走り去って行った。


いつもと違い、後味が悪かった。

何で今日に限ってあの発言をしたの、光瑠。

でも、元はと言えば、私に原因がある。


「光瑠君、先に帰ったの?」

「うん。ねえばぁや。私さ、どうすればいいのかな」

「何かあったのかね。もしかして、光瑠君かい?」

「うん……」


帰る気にはなれず、お店に戻ってばぁやと話をしたいと思い、今ばぁやの前にある椅子に座っている。

ばぁやには何故か話したい気分だった。


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