オレンジジュースを飲む頃
「私、光瑠とは友達でいたい。でも、あんな事言われてどうすればいいか分からなくて……」
先程の光瑠の発言だけではない。
あの時の事もそうだ。
私は結局何も言えず、そのままにしていた。
彼は何も言わずに今まで通りに私に接してくれた。
彼の優しさに、私は甘え過ぎていた。
「光瑠君と、離れたくないだけじゃないかい」
「……えっ?」
「光瑠君とはオレンジジュースを飲むいつもの時間を、変えたくない。友達ではなくなっていつもの時間を無くしたくない。だから、怖いんだねぇ、唯穂ちゃんは」
「……ばぁやの仰る通りです」
彼に対しての感情は、友達としての感情だと思ってた。
思い込んでた、だけだったのか……?